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訂正:創意正陽藝術区情報続編 
【内容を一部訂正しました】
こん棒を持った100人以上の暴漢は深夜に岩間君らを襲い、6名のアーティストに怪我を負わせました。
北京は春節の休み中で、田舎に帰郷した者も居て警備が手薄な時期を狙った計画的な犯行のようです。
警備は当番制で当日は2名が寝ずに巡回警備中で、他の4名は偶然居合わせたようです。

襲撃は深夜2時前に4台の大型ユンボが敷地内に進入してきたことから始まりました。
突然の進入を不審に思ったアーティストたちが全員で外に様子を見に出てきたところ、
裏門に隠れていた100人以上の暴漢が突如襲い掛かって来たとのことです。
暴行は屋外で行われましたが、暴漢たちは建物のガラスを割るなど、警備当番が待機している宿直室に
侵入した形跡も見られたとのことです。
暴行中に岩間くんが首にかけていたカメラを奪い破壊した上、その中に入っていたメモリー・カードを
抜き取る等、乱暴狼藉を働いたとのこと。
宿直室に置いてあった彼のパソコンも建物を破壊する際に落ちてきた材木などにより壊れてしまいました。

今回の暴漢たちはプロのようで、立ち退きを拒んでいる地域に出没して暴力を振るって、住民を怯えさせ、
力ずくで退去を迫るやり方は社会問題化しています。
この連中を雇っているのはディベロッパー(建物の大家、オーナー)で、政府からの補償金を一刻も早く
貰うために、追い出しに使っています。

世界史レベルでみても、現在の中国は人類史上最高の建築ラッシュです。
このため長年住み慣れた家を追われ、村が取り壊しになる事態が全国的に発生中です。
最近は所謂CHAI(政府命令に寄る退去勧告)に対して補償金が支払われるようになり、多少は改善され、
住民たちも抵抗せずに明け渡すようになっている中国です。
ところがこんどはこの補償金目当ての悪質なディベロッパーが暗躍して、今回の事件のような事が頻発
しだしているようです。

私どものギャラリーがある北京市の草場地区周辺にはアーティスト村がたくさん在りますが、再開発計画で
スタジオが取り壊されたアーティスト難民が多数発生しています。
こうした難民アーティストの一部のグループが天安門広場で抗議活動を行ってます。
彼らは反中国ではなく、理不尽なCHAIと悪質なディベロッパーの横暴に対して抗議しているのです。
しかしながら一部のマスコミが反中国活動と歪曲した報道をしているようです。
彼らは補償金を持ち逃げした、悪徳不動産屋やディベロッパーに対して不正義を正しているのです。
決して反中国活動をしているわけではありません。
誤解のないように願います。

怪我を負った岩間君らは幸い大事に至らず、こちらもひと安心しましたが、これからも気が抜けません。
正当な権利が正当な方法で彼らに与えられることを願っています。
日本人アーティストの岩間君が傷害被害を受けた(外国人としては初めて)、
今回の事件に対し外事部は相当気を使っているようです。
明日は我が身かと草場地区のMizuma & One Galleryの先が思いやられます。

三潴

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ミヅマ北京スタッフより岩間事件報告

岩間さんの件ですが、日本のニュースでも取り上げられていたかもしれませんが、頭を4針縫い、
体中を殴られるという酷い状況だったようです。
多少の不便はあるものの、現在体調に目立った問題はなく、近日中に抜糸もできるだろうとのことでした。

立ち退き命令が出てからずっと続けていたアトリエの見守りを狙っての襲撃だったらしく、春節中は通常2名
だけで行っていたそうですが、当日はたまたま別件で来ていた4名もおり、合計6名だったために、
襲撃を受けているときにも、外部に連絡を取ることができた、2名だけでは、何もできなかっただろう、
とのことでした。

土地の権利自体を売却するという動きがあるため、大家との話し合いではなく、外部の人間も加わり
今回のような実力行使に出始めたのだろうとのことです。
芸術区は大きな土地を一組の大家が管理しているため、立ち退き手続きが、こまかく分かれている民家に
比べてやり易いようで、芸術区は簡単に免れられない状況のようです。

当日は公安が来ても、芸術家達に良いように動くわけでもなく、襲撃した人たちを車に乗せていっただけで、
そちらを保護するような態度だったそうです。
大型ユンボ4台で乗りつけ、一気に建物を壊していき、隋建国の作品も、破壊されてしまったそうです。
(彼が倉庫に使用していた建物がありました)
その襲撃の翌日、建国門でそれに反対する芸術家たちのデモが起こり、それを受けて、中国国内では、
メディア規制がありこの件に関しては国内での報道はあまりありません。

たまたま当日そこにいたのが岩間さん(外国人)だったために、問題が大きくなり、警察でもケガに対して
入念に調べられたようですが、それも警察のただのパフォーマンスかもしれない、というのが皆の見解のようですね。

今回の黒幕が誰なのかはまだはっきりとわかっていないようで、公安も芸術家の味方をするわけではないので、
もはや成す術なし、という感じかも知れません。

草場地も、早くて6月には取り壊しになるかも、という噂が再浮上しています。
by mizuma-art | 2010-02-25 12:50 | その他
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