フェア
バーゼルの会場を歩いていると、現代アートの歴史もマーケットも、いまだに欧米にあるのだと、思い知らされます。
香港のアートフエアは成功した、アジアのマーケットの可能性について言及して来ましたが、
こちらの層の厚みには、まだまだ叶わないと実感させられます。
それでもアジアに欧米に匹敵する国際的なフエアが成立したことは、歴史的にも重要な一歩だと思います。

でも気になる点が幾つかありました。オーガナイザーがイギリス人で手本としたフェアがロンドンのフリーズ。
香港会場のレイアウトはメインの入り口から中心部にかけて、展示しているギャラリーは欧米の1流所。
こうしたメジャーギャラリーが展示する作品は、ダミアンやカプーア、オピー等の、替わり映えしない、見飽きした作品ばかり。
欧米ギャラリーの戦略ですね。
アジアのナイーブな新興コレクターを、そろそろ賞味期限が来ている、しかも高額になり過ぎて、
欧米では売れなくなってきた作品を売りつける魂胆が見え見え。
アジアのギャラリーが、ここで踏ん張らないと、アジアのアート市場は欧米の草刈場になりますね。

折角のアジアの国際的なフエアです。
ここでしか見れない、買えないアジアのカッティングエッジの作品に対面できるフエアにしたいと強く思いました。
現在の日本やアジアには欧米よりも知的水準も質も高い作家、作品があるのですから、対抗心剥き出しで、
アート界の列強に抗したいとおもいます。

でも欧米の層の厚みは計り知れない。
20世紀にアートマーケットを熟成させた仕組みは、いまだに機能し続け、この不況下でも、美術作品が有力な投資対象であり、
財産になる事を見せるバーゼルフエアは最高のプレゼンテーションの場になっています。

彼らの巧みさは、印象派からモダンの作品まで一同に集め、マーケットが健在である事を強くアピールしていることです。
さらにエスタブリッシュされた現代アートの大御所たちの作品が、ブルーチップ銘柄としての存在感を示し、
さらに次に繋がる時代の作家達の作品が将来、大化けするかもしれない幻想をアート市場に撒き散らし、
投資資金の入り口を魅力的に見せていることです。
出口の無い処には新しい資金が入って来ません。

オークションと言う最高の出口の魅力を振り撒きながら、次なるステージに上がる作家達への投資を促す場所がバーゼルフエアなのです。

三潴
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by mizuma-art | 2010-06-28 14:25 | その他
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