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ベニスより
10日よりベニスに来ています。
食あたりのせいか体調が思わしくない中ビエンナーレ見学をしております。
11日はさすがに午後3時過ぎまでホテルでダウンしておりました。
夕方からフランソワピノーの新美術館に行きました。
ちょうどサンマルコの対岸、サルーテという場所に作られたその新美術館は、安藤忠雄の建築によるものです。
こんなに作品を見やすくレイアウトされた美術館に行ったのははじめてです。
さすが安藤忠雄先生の仕事だと感心しました。
コレクションはピノー氏の財力を存分に発揮したもので、ビジュアル的にも内容的にも見ごたえのある作品ばかりでした。
村上隆氏、杉本博司氏の両作家の作品もコレクションされていたのはとてもうれしく思いました。

12日日曜日は体調も幾分よくなったので、ジャルジーニ、アルセナーレ両会場を一気に回りました。
いつもベニスのビエンナーレに来ると時間が足りなく、ビデオ作品などはゆっくり見ることができず、
後から「○○パビリオンがよかった」など指摘されたりしますが、見落としたわけではなく
インパクトの不足している作品はパスしたりビデオ作品は流してみてしまうので、このような結果になります。

第53回ベニスビエンナーレ両会場の印象は、正直言ってもの足りないものでした。
金獅子賞をとったアメリカ館のブルースナウマンの作品も、すべてが新しいわけではなく新鮮味にかけるものでした。
ブルースナウマンの長い活動の功績をたたえた賞だと考えれば納得ができますが、、、。

会場のカフェで一休みしていたら祭国強さんが長女とアシスタントを連れてやってくるのをみかけ声をかけ
一緒にお茶をしました。蔡さんはベニスビエンナーレに公式には6回も参加しているそうですが、
今回はエルグレコの一生を追う旅をするというテーマでドキュメントビデオを撮っている途中で
立ち寄ったものだということでした。
なんとも素敵な旅をする作家だと思いました。エルグレコの一生を追いかけるとは。。。
エルグレコはスペインに生まれでベニスにも滞在して、ツテーニにから絵画技法を学んだようです。
蔡さんはこの後もエルグレコの一生を追いかける旅をしばらく続けるとの事でした。

ところで蔡国強さんといえば、昨年8月にヒロシマ賞を受賞した記念に黒い花火をヒロシマの上空に
打ちあげましたが、ちょうどそのころChim↑Pom (チン↑ポム) という若い作家集団が起こした「ピカッ」事件に
遭遇し、チン↑ポムたちに興味を覚えたようです。
蔡さんはチン↑ポムたちに
「君たちは謝ってはだめだよ、謝っては作家でなくなるよ。
作家は自分のやったことに対して信念を持って貫くことだ。
事前説明が不足していたとか、手続きが間違っていたことについては素直に謝ればいい。
自分の作品内容について謝ってはだめだ」
ということを助言したようです。
こんなすばらしい言葉を蔡さんからいただけたチンポムたちにどれだけ伝わったかなと思いました。

さてお茶の時間も終えて、今度はアルセナーレを見に行きました。
こちらもそれほど印象に強い作品に出会いませんでした。
ただミヅマギャラリーで展覧会を開催したことのあるイタリア人作家(ボローニャ在住)SISSIが
アルセナーレ会場奥にできたイタリア館の新パビリオンで作品を展示していました。
ミヅマで展覧会をやった事のある作家がビエンナーレに参加しているのはとても嬉しいことです。
アルセナーレの対岸の会場ではヤンファーブルの展覧会をやっていました。
最後にここに来て「あーベニスに来てよかったな」という展示作品に出会えました。
話にはきいていた作品でしたが、はじめてみてそのスケールの大きさと内容に感動しました。
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Sissi

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Jan Fabre


2009.7.14
三潴
by mizuma-art | 2009-07-14 12:37
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