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武蔵野美術大学で特別講師をしてきました
昨日は武蔵野美術大学の林容子先生のアートマネージメント講座で特別講師をしてきました。
ムサビではもう5年近く、年2回ほど学生達に話しをしています。
若いアーティスト志望やキュレーター志望の学生諸君と話すのは楽しい事なので毎回ウキウキしています。

昨日は90分の話の後に、一時間程学生達からの質問を受けました。
その後、学部2年生のスタジオに行き、作品の批評をしました。
芸大や他の大学の院生のスタジオを見た事はありましたが、
ここでは100平米くらいの教室に20名の学生が自分のスペースを持っていて、その狭さに驚きました。
このスペースで大作を作るのは大変です。学生時代は有り余る時間を使って大作を作るもの!です。
授業料や制作費を含めると年間180万円もの金額がかかるそうですが、
地方から来た学生達には生活費などを含めると更に月15万くらいかかるでしょう。
美大に行くのがどれだけ親御さんへの負担になるかと考えると暗澹とした気持ちになりました。
美大を卒業しても自立したフルタイムアーティストになるのはおそらく一万人に一人という非常に厳しい才能の闘いの世界です。

美大に来ている諸君達は皆子供の頃から美術が好きだったり、制作するのが好きだった人達なのでしょうが、
その中で本当に一握りの人しか自立できない現実を考えると非常に厳しい、才能の支配する世界だと思います。

学生達からの真摯な質問の中に、どうやったらアーティストとして食べていけるのか?という質問がありました。
自分の好きな事をやって生活を自立させるのは厳しいし、サラリーマンではないので安定した生活を望むのも難しいものです。
安定したいなら学校の先生が良いでしょう。しかし、人に教えながら制作も厳しい事ですし、
そうやって成功した作家もあまりいません。
こうした才能の卵たちと話し、それらを引き受け世界に紹介するのがギャラリーの仕事ですから、
ギャラリストにはそういう才能を見極める力が必要とされてきます。
ですが、考えてみると私は才能を見極める力が自分に備わっているとは思いません。幸運にも良い出会いによって成り立ってきました。
私が会田誠に出会った時、彼は既にいくつかの画廊で展覧会を開いていました。
しかし誰も彼とは契約せず画廊が無い状態でした。
それはとても信じられないラッキーな事でしたし、会田誠という天才が、山口晃という天才を連れて来て、そういう素晴らしい連鎖によって今のミヅマが成り立っています。
作家の力によってギャラリーは成り立つもので、私どもはそういう縁の下の力持ちの仕事をしております。

2009.6.23
三潴
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by mizuma-art | 2009-06-23 17:06