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北京三潴情報
突然ですが、ギャラリー情報を密度濃く発信する為にブログを設けました。
このコーナーではより細かい作家の動向やギャラリー情報を皆さんにお送りする事が出来れば幸いです。


第一弾は三潴からのご報告です!

去年の4月、北京にミヅマギャラリー(正式名称Mizuma & One Gallery)を開廊し、1年が経ちました。
沢山の方々から「どうですか」という質問を聞かれます。
その内容はビジネスはどうですか?という事でした。

私が北京に開廊する大きな動機は798や草場地区に良いギャラリーが集まり、
いずれここがアジアのアートの中心地になる、思ったからです。
もちろん不況となった現在も草場地区には他の地区から移動してきたり、
新しくオープンするギャラリーがあり盛り上がっています。

ではアートマーケットはどうでしょうか?
正直に書きますと、マーケットはまだまだ時間がかかるのではと思っています。
理由として、基本的インフラがないという事。
というのも中国には現代アートの公立美術館がありません。
また、人々に作品に対するマナーや教育がされておらず、
多くの人が美術館やギャラリーでの展示で作品に手を触れてしまいます。
中国には富裕層が沢山でてきていますが、彼らの多くは家を建てる事や車、
宝石を買う事に興味があるようです。
中国のアンティークを購入する動きもあるようですが、残念ながら現代アートへはまだ向いておりません。

2004年辺りに始まった中国の現代アートブームですが、バブルの様になった要因は
華僑系、欧米のディーラー、そしてクリスティーズなどのオークションハウスにあります。
中国にはBeijing Poly International Auction Co., Ltd. やChina Guardian Auctions Co., Ltd.などの
オークションハウスもあり、活発に取引がなされていますが、中心はアンティーク部門です。

また、中国マーケットが発展しないもう一つの理由として、税金の問題があります。
美術を贅沢品と見るのか、(中国側からみた)輸入する際の通関時に増置税 (17.5%) がかけられ、
さらにVATとして8%かけられます。作品が売れた時には合計で33.5%もの税金となります。
これがネックとなりマーケットが育たないのです。

このようにマーケット状況やインフラはまだまだこれからです。
ですが、中国はとても魅力的なのです。
13億人もの人口があり、その中で沢山の才能が日々生まれています。
北京には中央美術学院と清華大学があり、優秀なアーティストを排出しています。
そこでは毎年5、6月に卒業制作展が開催され、アジアや中国のギャラリストが詰めかけ盛んにスカウトをします。
上海や四川、天津にも美大があり、そこでも作家が育っています。

アートに関する税金の改正や2000年代に登場したお金持ちが現代アートに興味を持てば、
マーケットが拡大する可能性は非常に高いと思います。
しかし、現在の北京三潴はショールームとしての機能のみとなっています。
そこで1周年となった今年4月に中国の若い作家4人のグループ展を開催しました。

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DAI Chao "The sea under the Cloud"


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LI Zan "GOLDEN TAOTIE"


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LUO Shengling "Lost Child 5"


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Meng Yangyang "Juice"


DAI Chao、LI Zan、LUO Shengling、MENG Yangyangという学校を卒業したばかりまたは卒業して1、2年の若い作家達です。
こうした新人作家達の発掘を徐々にしながら世界に発信していきたいと考えています。

さて、これからの北京三潴ですが、7月4日からに木村了子展が開催されます。
作品は8月2日まで北京で展示され、その後台北で展示されます。
8月末からは会田誠が3ヶ月間にわたり、滞在公開制作展を行います。
3メートル×7メートルの新作「The Ash Color Mountain」の制作や「滝の絵」、
「万札地肥瘠相見図」を公開加筆するようです。
北京にいらっしゃる際はぜひお越し下さい!

2009.6.18
三潴


Mizuma & One Gallery
No.241-15 Cao Chang Di Village, Cui Ge Zhuang,
Chaoyang District, Beijing 100015 China
tel: +86-10-5127-3267 fax: +86-10-5127-3268

開館時間:水曜ー日曜 10:00-18:00
休廊日:祝日
月曜、火曜はアポイントのある方のみ
by mizuma-art | 2009-06-18 16:59 | ギャラリー情報
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